介護技術

問題81

利用者が「昨夜はよく眠れなかった」と話しかけてきた。次の記述のうち、介護従事者の共感的な対応として、適切なものを1つ選びなさい。

1.「たまには、眠れないこともあります」
2.「眠れないのは、辛いですね」
3.「見回りをした時には、寝ていらっしゃいましたよ」
4.「すぐに看護師に連絡しておきます」
5.「しばらく寝ていた方がよいですね」


答え:正解 2

1、3、4、5 × 利用者の訴えに共感することが求められます。訴えを突き放すような回答は不適切といえます。
2.○ 利用者の訴えに共感していて、適切な対応といえます。

 

問題82

次のうち、体温が上昇する要因として、適切でないものを1つ選びなさい。

1.食事
2.入浴
3.運動
4.睡眠
5.興奮


答え:正解 4

1、2、3、5 ○ いずれも体温が上昇する要因です。
4.× 睡眠は体組織を安定させることから体温は低下します。

 

問題83

次のうち、介護保険制度の貸与の対象となる福祉用具として、正しいものを1つ選びなさい。

1.腰掛便座
2.簡易浴槽
3.歩行補助つえ
4.入浴用介助ベルト
5.移動用リフトのつり具


答え:正解 3

1、2、4、5 × いずれも購入費支給の対象品目です。
3.○ 歩行補助つえは、貸与の対象となる福祉用具です。

 

問題84

安定した姿勢を保持する方法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.立位では、両足をそろえる。
2.椅坐位では、利き手側の肘掛に体重をかける。
3.つえを使った立位では、つえの身体に密着させる。
4.ベッドの端に腰掛ける座位では、足底面を床につける。
5.側臥位では、身体をまっすぐにする。


答え:正解 4

1、3 × 立位では、両足をそろえるよりも少し足を開いたほうが姿勢は安定します。同様に、つえを体に密着させるのではなく、つえを体から少し離したほうが安定します。
2.× 椅子に座っているときは、利き手側の肘掛に体重をかけるのではなく、両手に均等に体重がかかるようにすると安定します。
4.○ ベッドの端に腰掛けるときは、足が浮いたような状態では不安定であり、非常に危険です。足底面が床にしっかりついていると体が安定します。
5.× 側臥位では、体をまっすぐにするよりも、体を少し曲げるほうが楽で安定します。

 

問題85

高齢者の脱水に症状に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。

1.尿量が減少する。
2.わきの下の湿り気がなくなる。
3.体温が低下する。
4.まなざしがうつろになる。
5.舌が乾燥する。


答え:正解 3

1.○ 体内の水分が少なくなると、排出する水分を節約するために尿量が減少します。
2.○ 脱水状態になると、体の表面が乾燥状態になり、わきの下の湿り気がなくなります。
3.× 脱水状態になると、体温調節がうまくできなくなって、体温が上昇します。
4.○ 脱水状態になると、まなざしがうつろになります。
5.○ 脱水状態になると、舌が乾燥します。

 

問題86

施設に入所中の利用者に下痢症状が見られた場合の介護に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。

1.医療従事者に報告する。
2.水分摂取を制限する。
3.排便後、陰部洗浄を行う。
4.腹部を冷やさないようにする。
5.食事内容を確認する。


答え:正解 2

1、3、4、5 ○ 施設に入所中に利用者に下痢症状が見られた場合には、医療従事者に報告するとともに、食事内容を確認するなど原因を調査します。
2.× 下痢症状が続くと、水分が体外に排出されるため、脱水状態を進行させることから、水分摂取を制限するのではなく、摂取させなければなりません。

 

問題87

施設に入所中の利用者の衣服の着脱介助に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.入浴時に着替えればよい。
2.着替える前に体調を確かめる。
3.居室内のカーテンは開けておく。
4.仰向けの姿勢で行うように勧める。
5.介護従事者の好みで衣服を決める。


答え:正解 2

1.× 着替えは入浴時ではなく入浴後に行うようにします。
2.○ 着替える前に、必ず利用者の体調を確かめることが重要です。
3、4、5 × 施設に入所中の利用者の衣服の着脱介助を行う場合には、衣服は利用者の好みを優先して、利用者のプライバシーに配慮しなければなりません。また、着替え時にはできるだけ利用者の残存機能を使ってもらうように心掛けます。

 

問題88

自分で体位変換ができない利用者の介助に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.痛みがあるので体位変換は行わなかった。
2.目を閉じていたので声をかけずに体位交換を行った。
3.身体とマットレスとの間にできた空間はそのままにした。
4.今の状態を楽だと行ったので4時間後に体位を変えた。
5.利用者が心地よいと感じる体位にした。


答え:正解 5

1.× 体位変換の際には痛みが起きないように配慮しなければならないが、痛みがあるからといって体位変換をしないことは不適切です。
2.× 利用者には必ず声をかけて、了解をとってから体位変換を行わなければなりません。寝ているままで体位変換を行うと利用者を驚かせることになります。
3.× 身体とマットレスとの間にできた空間にはクッションなどを差し込むと体が安定して介助しやすくなります。
4.× 体位変換は2時間ごとに定期的行うのが適切であり、利用者が体位変換を望まない理由を確認して対応する必要があります。
5.○ 体位変換では、利用者が心地よいと感じる体位にすることが好ましいです。

 

問題89

次のうち、高齢者の口腔ケアの目的として、間違っているものを1つ選びなさい。

1.唾液の分泌の抑制
2.口臭の改善
3.誤嚥性肺炎の予防
4.歯周病の予防
5.食欲の増進


答え:正解 1

1.× 唾液には、消化・潤滑・抗菌・再石炭化などのさまざまな作用があり、分泌を抑制することは不適切です。とくに高齢者では唾液の分泌が不足すると嚥下障害の恐れがあります。
2、3、4、5 ○ いずれも高齢者の口腔ケアの目的として適切といえます。

 

問題90

応急手当に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.低温やけどは、損傷部分を温める。
2.手からの出血は、出血部位を心臓より低くする。
3.骨折は、正常の位置に戻して固定する。
4.すり傷は、水道水で十分に洗い流す。
5.食物をのどに詰まらせたときは、まずハイムリック法を行う。


答え:正解 4

1.× やけどを負った場合には、速やかに流水で冷やすなどの処置を行います。低温やけどは、見た目よりも症状が重いことから留意しなければなりません。
2.× 手から出血したときは、出血部位を心臓より高くすると出血を抑える効果があります。
3.× 骨折をした場合には、折れた骨を正常の位置に戻す処置は、医療職でなければ行ってはいけません。
4.○ すり傷を負った場合は、傷口を水道水で十分に洗い流して、雑菌が体内に入ることを防ぐ必要があります。
5.× ハイムリック法は、背部叩打法を行っても効果がない場合に用いります。ハイムリック法とは、背後から対象者を抱きかかえて状態で、握りこぶしで腹部を突き上げる方法です。

 

問題91

介護記録の管理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.介護記録の共有は、介護職員内にとどめる。
2.個人情報のデータベース管理には、パスワードを使う。
3.家族が情報開示を求めた場合、保管場所への入室を認める。
4.介護記録の保管の責任は、記録者にある。
5.ケースカンファレンスに出された介護記録は、個人管理とする。


答え:正解 2

1.× 介護の記録管理に関しては、個人情報保護に配慮しつつ、介護職員だけでなく、医療職はじめ介護に関連する職員と情報を共有しなければなりません。
2.○ 個人情報のデータベース管理には、パスワードを使うなど、十分な注意が必要です。
3.× 家族が情報公開を求めた場合であっても、介護記録の保管場所には他の利用者の記録も保管されていることから、入室は認めてはなりません。
4.× 介護記録の保管の責任は、記録者ではなく管理責任者です。
5.× ケースカンファレンスに出された介護記録は、個人管理とするのではなく、記録が共有できるように施設で行う等の方法での管理が適切といえます。

 

(介護技術・事例問題1)

脳梗塞の後遺症がある利用者に関する次の記述のうち、問題92から問題94までについて答えなさい。

[事 例]
Eさん(70歳、女性)は、5年前に脳梗塞になった。右片麻痺の後遺症があり、2年前から介護老人福祉施設に入所している。
移動は車いすを使用し、日中はトイレ、夜間はポータブルトイレで介助を受けながら排泄し、失禁はなかった。娘が頻繁に面会に来ていたが、半年前からがんの治療のため、面会に来ることができなくなった。そのころからEさんの活気がなくなってきた。
食事はスプーンを使用し自立しているが、次第に食事量が少なくなってきている。もともと風呂好きであったが、最近は入浴を拒みがちである。また、日中でもベッドで眠っていることが目立ち、行事への参加を促しても「いやです」と言う。

 

問題92

Eさんの日常生活支援の方針に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.食事は全介助で行う。
2.日中の睡眠時には起こさない。
3.入浴は勧めない。
4.排便後は陰部洗浄をする。
5.一人でいられる環境にする。


答え:正解 4

1.× Eさんは、車いすを使用しているが、食事スプーンを使用して自立しているなど、食事を全介助で行うことは不適切といえます。
2.× Eさんは、日中でもベッドで眠っていることが目立っており、昼間は活動できるように方向付けることが望ましいといえます。
3.× Eさんは、もともと風呂好きであったのに、なぜ入浴を拒むようになったのか、その原因を確認して対処するとともに、清潔保持の観点から入浴を勧めることが適切といえます。
4.○ Eさんは、最近入浴を拒みがちであり、清潔保持の観点から排便後の陰部洗浄は、Eさんの恥じらいの気持ちに配慮しつつ必要に応じて行うことが適切といえます。
5.× 行事への参加を拒否するからといってEさんを一人だけの環境にしておくことは、さらに活動を阻害することになり不適切といえます。

 

問題93

Eさんは最近、昼夜を問わず紙おむつを使用することを望むようになった。Eさんへの支援の方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.紙おむつを使用する。
2.トイレへの誘導は意図的に行わない。
3.就寝前に水分摂取を制限する。
4.留置カテーテルの使用について医療職と相談する。
5.排泄の間隔を観察する。


答え:正解 5

1.× 介助を受けながら排泄し、失禁はないという現状から、Eさんの望む通り常時紙おむつを使用することは排泄の自立を阻害することになり不適切といえます。
2.× トイレの誘導は、定期的に行うようにするのが望ましいです。
3.× 就寝中にも水分が必要であり、就寝前に水分摂取を制限することは不適切といえます。
4.× Eさんの現状では、留意カテーテルは不要であり、不適切です。
5.○ Eさんの排泄の間隔を観察して、紙おむつが必要な場合に使用することが適切です。

 

問題94

娘さんが来なくなり、Eさんは最近「生きていてもしょうがない」と言うことが多くなってきた。このようなEさんへの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.「元気出しましょうね」
2.「娘さんの病気が心配ですね」
3.「お風呂に入って気分転換しませんか」
4.「まず身体の状態をよくしましょう」
5.「そんなことを言わないでください」


答え:正解 2

1、3、4、5 × Eさんの現状からは、安易な励ましや否定的な回答・声かけは不適切です。
2.○ Eさんへの共感が重要といえます。

 

(介護技術・事例問題2)

次の事例を読んで、問題95から問題97までについて答えなさい。

[事 例]
Fさん(75歳、男性、要支援2)は、70歳の時に脳梗塞で入院した。右片麻痺が残ったが、つえと補装具を利用して室内歩行が介助にて可能になり、3ヶ月後に退院して自宅に戻った。その後週1回の訪問介護を利用しながら、妻(70歳)と2人で生活している。Fさんは水分を摂取するとむせることが多い。また頻尿もある。自分で座位を保持でき、出された食事は自分でとることができるが、それ以外は介助が必要である。妻は腰痛の持病があるが、献身的にFさんの介護に努めている。最近、訪問介護員が訪問すると、Fさんのトイレまでの介助を妻はかろうじて行っており、Fさんはベッドに臥床している状態が多くみられるようになった。

 

問題95

Fさんの起居・歩行介助に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。

1.立ち上がるときは、右上肢を介助者の肩に乗せる。
2.立ち上がるときは、補装具を着用する。
3.立ち上がるときは、体幹を十分に前屈させる。
4.歩行のときは、つえ→右足→左足の順に出す。
5.歩行のときは、Fさんの右側から介助する。

答え:正解 1

1.×
2、3、4、5 ○

 

問題96

次のうち、Fさんへのおやつとして、適切なものを1つ選びなさい。

1.にんじんスティック
2.清涼飲料水
3.とうもろこし
4.プリン
5.ピーナッツ

答え:正解 4

1、2、3、5 × Fさんには右片麻痺が残っているので、右上肢を介助者の肩に乗せることは危険です。介助は麻痺のない健側の左上肢を肩に乗せます。
4.○ Fさんの状況から、いずれも適切といえます。

 

問題97

最近になってFさんの妻が、「夜、何度もトイレに呼ばれて大変。持病の腰痛も悪化するし、疲れもたまって介護がつらい」と訪問介護員に訴えるようになった。
訪問介護員の妻への対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.「訪問介護の訪問日数を増やします」
2.「夜は、おむつをするようにしましょう」
3.「夜、大変なので昼の介護はしなくていいです」
4.「そのうち腰痛もよくなりますから頑張りましょう」
5.「他のサービスの利用などケアマネージャーと相談してみてはいかがですか」

答え:正解 5

1.× 訪問介護員が独断で訪問日数の増減を提案してはいけません。
2.× Fさんは介助を得てトイレで排泄を行っており、安易におむつを使用しないで、妻の負担を軽減する方法を検討することが適切といえます。
3.× Fさんには昼間も介護が必要であり、安易に「昼の介護はしなくていい」と言ってはなりません。
4.× 症状に関する安易な発言はしてはいけません。
5.○ サービスについて提案するのはケアマネージャーであり、相談を勧めることは適切といえます。

 

(介護技術・事例問題3)

次の事例を読んで、問題98から問題100までについて答えなさい。

[事 例]
Gさん(85歳、女性)は、夫(88歳)との2人暮らしである。子供3人はいずれも独立して県外に住んでいる。3ヶ月ほど前に玄関先の段差につまずき転倒した。左大腿骨頚部骨折と診断され入院し、手術を受けた。その後の経過は順調で、車いすでの自走ができるようまでに回復した。何かにつかまれば2m程度から歩行できる。ベッドの横でポータブルトイレを使用して、一部介助で排泄している。食事や衣服の着脱、歯磨きも座った状態であれば一人でできる。「家に帰り夫の食事をつくりたい」というGさんの強い要望で、退院した。夫は「また転ぶのではないか」と思っている。
退院後に、週2回の訪問介護サービスが計画された。

 

問題98

退院後3日目に、訪問介護員が初めて訪問した。Gさんはパジャマ姿で寝たままの状態で、夫から食事介助を受けていた。ベッドの横には汚れたオムツがそのまま置いてあった。次のうち、訪問介護員が確認する事項として、優先度の高いものを1つ選びなさい。

1.Gさんと夫の表情や動作
2.入院中の状態
3.Gさんの好きな食べ物
4.家屋の構造
5.子どもや孫のこと

答え:正解 1

1.○ ベッドの横に汚れたオムツがそのまま置いてあった状況から、介護がきちんと行われているかどうか確認する必要があり、Gさんと夫の表情や動作を観察することが適切と考えられます。
2、3、4、5 × Gさんの現状から、いずれも現時点で優先度が高い確認事項とはいえません。

 

問題99

Gさんの生活動作の低下を防ぐための援助に関する次の記述のうち、適切でないものを1つ選びなさい。

1.夫とともに下肢の筋力トレーニングを行う。
2.天気の良い日に車いすで外に出る。
3.電動エアマットの使用を勧める。
4.一定時間ベッドの端に腰掛けることを勧める。
5.食事内容に小魚類を多くとるように勧める。

答え:正解 3

1、2、4、5 ○ いずれもGさんの生活動作の低下を防ぐための援助として適切といえます。
3.× 電動エアマットは、褥瘡予防には効果的ですが、Gさんは寝返りは自力で行えるとみられ、電動エアマットを使用する必要はありません。

 

問題100

次のうち、Gさんの退院時の要望を実現するための援助として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.一人での歩行練習
2.立ったままでの歯磨き
3.車いすでの訪問介護員との調理
4.普段着への着替え
5.ポータブルトイレでの排泄

答え:正解 3

1、2 × Gさんの状態では、一人での方向練習、立ったままでの歯磨きは危険といえます。
3.○ Gさんには「夫の食事をつくりたい」という要望があることから、リハビリ硬化も期待できる援助としてもふさわしいといえます。
4.× Gさんは、食事や衣服の着脱、歯磨きも座った状態であれば一人でできる状況であり、Gさんの退院時の要望を実現することには当たりません。
5.× Gさんは、すでにポータブルトイレを使用して一部介助で排泄しており、Gさんの退院時の要望を実現することには当たりません。

 

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