老人・障害者の心理

問題41

発達理論に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.エリクソン(Erikson,E.)は、「発達段階説」を唱えた。
2.ワトソン(Watson,J.)は、「成熟優位説」を唱えた。
3.シュテルン(Stern,W.)は、「学習優位説」を唱えた。
4.ピアジェ(Piaget,J.)は、「輻輳説」を唱えた。
5.ゲセル(Gesell,A.)は、「相互作用説」を唱えた。


答え:正解 1

1.○ アメリカの心理学者エリクソンは、生涯を乳児期から成熟期(老年期)までの8つの段階に分けた発達段階説を唱えました。
2、3 × 成熟優位説を唱えたゲセル(Gesell,A.L. 1880~1961)は、身体的精神的な成熟を待たずに行う学習行動は無意味として、学習を成立させる準備段階まで成熟することを重視しました。行動主義心理学の始祖とされるワトソンは、反対に、行動はすべての環境的要因による学習活動によって成り立つとする学習優位説を唱えました。
4.× 発達は、遺伝的要因と環境的要因の加算的な影響によるものだとする輻輳説を唱えたのはシュテルン(Stern,W. 1871~1938)であり、ピアジェは、発達とは、人と環境との相互作用から、同化と調節により認識を構築していく過程であるとして、子供の思考過程(認識機能)の発達段階を4段階に分けています。
5.× 遺伝と環境は、互いに相乗的に作用し合って発達を決定するという考え方が相互作用説であり、サメロフが唱えたものです。ゲセルは、成熟優位説を唱えました。

 

問題42

老化が及ぼす心理影響に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.老年期には、自我同一性の確立が顕著に現れる。
2.喪失体験に引き起こす原因の一つに定年退職がある。
3.経験や体験に基づく流動性知能が高まる。
4.感覚記憶から送られた情報は、半永久的に保持される。
5.老いを自覚することにより、他方への積極的な交流が増える。


答え:正解 2

1.× 自我同一性とは、「自分とは何か」「何になりたいか」と考え、「これが自分だ」という実感をもつことであり、青年期の発達課題です。
2.○ 老年期には、親族の脂肪や定年退職などにより、大きな喪失感を感じる場合があります。
3.× 流動性知能とは、新しいことを学習したり、新しい環境に対応したりする能力のことであり、老化とともにこの能力は減退する傾向がみられます。
4.× 感覚記憶とは、映像や音などの瞬時に消えてしまう記憶です。半永久的に保持される記憶は、長期記憶です。
5.× 老いを自覚することで、他方への積極的な交流は少なくなっていく傾向がみられます。

 

問題43

高齢期のうつとその対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.身体症状とうつ病は関連性が少ない。
2.自殺につながる危険性は少ない。
3.意欲を高めるように周囲が励ます。
4.症状の回復後、仕事や家事への早期復帰を促す。
5.疲れたら休息を促し様子を見る。


答え:正解 5

1.× 高齢者がうつ状態の場合には、不眠、倦怠感、食欲不振、めまいなどの身体症状がみられることが多いです。
2.× 高齢者がうつ状態の場合には、自殺に結び付きやすいといえます。
3.× うつ状態の場合には、安易な励ましや仕事や家事への早期復帰を促すことは、本人には負担となり、逆効果となることが多いです。
4.× うつ症状から回復したといっても再発の可能性もあり、仕事や家事への早期復帰を促すことは身長に行うべきです。うつ症状から回復直後の利用者に対しては、医療職ともよく打ち合わせを行い、その指示に基づいてサービスを行う配慮が求められます。
5.○ 高齢者がうつ状態の場合には、まず十分な休息をとることが重要です。

 

問題44

施設における認知症高齢者の心理的安定を図るための対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.慣れ親しんだものより新しい便利なものを活用する。
2.居室の変更を頻繁に行う。
3.食事での雰囲気作りより栄養摂取を優先する。
4.証明はできるだけ明るくする。
5.部屋の表示や目印を活用する。


答え:正解 5

1.× 新しい便利なものであっても、慣れ親しんだものを活用するほうが、精神的に安定するといえます。
2.× 認知症高齢者の心理的安定を図るためには、居室の変更は極力行わない方がいいです。環境の変化は不安を高める傾向にあります。
3.× 心理的安定を図るためには、栄養摂取を優先するよりも雰囲気づくりを優先することが適切といえます。
4.× 明るい照明は気分が高揚させますが、心理的安定を図るためには、明るすぎず、ほの暗い明るさが敵切といえます。
5.○ 認知症の場合には見当識障害が現れやすく、部屋の表示や目印を活用することは心理的安定を得やすいといえます。

 

問題45

事故等で手足を失った人の心理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.幻肢を感じる人の割合は、手足を失った人の50%以下である。
2.幻肢は痛みを伴わない。
3.手足を失った事実の否認は、治療の受け入れを困難にする。
4.幻肢は手や足が失われた直後に現れ、数週間で消失する。
5.ないはずの手足の存在を訴えるのは、同情を引くためである。


答え:正解 3

1、5 × 幻肢とは事故や病気などで手足を失った人が、存在しない手足が存在す
るかのように感じることです。手足を失った人は、ほとんど幻肢を感じていて、その原因は完全には解明されていませんが、同情を引くためではありません。
2、4 × 手足を失った人が感じる幻肢痛は、手足を失ってから、数ヶ月、数年後に起こるといわれています。
3.○ 手足を失った人が、その事実を受け入れられないために、治療を拒否するなど、治療が困難になることがあります。

 

問題46

アルコール依存症に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.離脱症状は短時間で消失するので、生活に支障を生じない。
2.家族などの周囲が飲酒量の多さを指摘すれば、依存を認める。
3.依存に気が付けば、自分で飲酒量をコントロールできる。
4.セルフヘルプグループへの参加は、回復への支えとなる。
5.依存している場合でも、飲酒時の記憶は保持されている。


答え:正解 4

1.× アルコール依存症の離脱症状には、頭痛、不眠、イライラ感など、さまざまな症状があり、生活に支障を生じることも多いです。
2.× 家族などの周囲の人から指摘を受けても、依存から抜け出せないのがアルコール依存症の特徴です。
3.× アルコール依存症では、自分でわかっていても自らの意志でアルコールの量をコントロールできません。
4.○ セルフヘルプグループとは、同じ問題を抱えている人が励まし合って、問題を解決しようとする集まりであり、有効な手立てといえます。
5.× アルコール依存症では、自分の意志では止まらなくなり、酩酊して飲酒時の記憶が保持されることはほとんどないといえます。

 

問題47

心理検査に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1.YG性格検査は、未完成の文章を完成させる検査である。
2.コース立方体組み合わせテストは、提示された図形を模写する検査である。
3.バウムテストは、実のある木の絵を描画する検査である。
4.改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、描画課題を含む検査である。
5.PFスタディは、インクのしみを見せて反応を見る検査である。


答え:正解 3

1.× YG性格検査(矢田部ギルフォード性格検査)とは、質問紙形式で行う性格検査の一種です。12の項目について全120問の質問に答えることで、その人の特性を総合的に判定します。
2.× コース立方体組み合わせテストとは、赤、白、青、黄、赤と白、青と黄に塗り分けられた立方体を組み合せて、17問の模様を作る知能検査です。図形を模写するものではありません。
3.○ バウムテストとは、実のある樹木を書かせて、その絵に投影されたメッセージから、隠された深層意識を読み取ろうというものです。
4.× 改訂長谷川式簡易知能評価スケールとは、9つの質問項目から高齢者の大まかな認知機能障害の有無をとらえることを目的としたものです。
5.× インクのしみを見せて反応を見る検査は、ロールシャッハテストであり、PFスタディとは、欲求不満状況に対する反応のタイプから被検者のパーソナリティ傾向を把握しようとするものです。

 

問題48

箱庭療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.知能検査として使われることが多い。
2.作業の途中で助言しながら進めていく。
3.対象は子どもである。
4.箱庭を作ることで退行が起きる。
5.箱庭を作ることがストレスや不安につながる。


答え:正解 4

1.× 箱庭療法とは、砂の入った箱に人形や動物などの玩具を自由に置いて、その形などから心の中を読み取るものです。知能検査ではなく心理療法として活用されています。
2.× 箱庭療法では、作業中には助言することなく自由に表現することが重要とされています。
3.× 箱庭療法の対象は、昔は子供だったが、現在では成人も使用しています。
4.○ 箱庭を作ることで退行が起きますが、退行とは、人が現状より以前の発達段階に逆戻りすることであり、退行によって抱えている問題を明確にできるとされています。
5.× 箱庭を作ることによって、心が解き放たれて、ストレスや不安が解消する効果があります。

 

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